tDiary-3.1.3 以降のバージョンでは tDiary を Heroku や sqale のような PasS で動かすことが可能です。PaaS を利用することで、3.1.3 以前のバージョンで必要とされていた Apache のような http サーバーの用意や CGI として動作させるための環境設定を行う事なく、 tDiary を動かして日記を書くことが可能となります。
Webブラウザだけあれば動作させることが可能です。
日記の更新時にTwitterのOAuthを使って認証するようになっています。あらかじめTwitter Application Managementにてアプリケーションを作成し、Consumer Key (API Key) と Consumer Secret (API Secret) を取得しておきます。
続いて GitHub 上にあるtDiaryのリポジトリから、Herokuボタンを使ってデプロイしてください(トップページ下部のREADMEにあります)。
Heroku の New App ページになったら、下記の情報を入力して、Deploy for Free ボタンを押します。
「Deployed to Heroku」まで進めば利用可能です。「View it」のリンクから日記に飛んで下さい。
【注意】View itから飛んだ先のURLは https://~ になっています。いったん http://~ にしないと認証が通らないので注意してください。なお、設定画面で「日記のURL」を https://~ に変更することで https での利用が可能です。
tDiary を sqale で動作させるためには以下のツールが必要となります。
また、よくわからない場合は Heroku が配布している heroku toolbelt を用いると簡単に上記のツールをインストールすることができます。
git を使って tDiary の最新版を取得します。
git clone git://github.com/tdiary/tdiary-core.git
続いて、依存するライブラリをインストールするために bundle install コマンドを実行します。
% cd tdiary-core
% bundle install
sqale.jp にアクセスして新しいアプリケーションを作成します。作成後にアプリケーションの URL を git のリモートリポジトリに追加します。tDiary のルートディレクトリ(Gemfile が存在する箇所) で以下のコマンドを実行します。
% git remote add sqale ssh://sqale@gateway.sqale.jp:2222/[username]/[application].git
username と application の値は別途読み替えてください。続いて、sqale 専用の作業ブランチを作成します。
% git checkout -b deploy
作業ブランチで Sqale で動かすために必要な設定ファイルをコピーします。
% cp misc/paas/sqale/* .
続いて .gitignore の 2 行目の .htpasswd と 9 行目の tdiary.conf を削除します。
日記更新時に必要となるユーザー名とパスワードを保存する .htpasswd ファイルを作成します。この情報は重要なので、外部には公開しないでください。
% bundle exec rake auth:password:create
dot.env ファイルを .env にリネームして、データベースの接続情報を記入します。データベースの接続情報は sqale のアプリケーションダッシュボードから参照してください。接続情報は以下の形式で記入します。
DATABASE_URL=mysql2://username:password@hostname/database
sqale では javascript や css ファイルを作業ディレクトリの public/assets 配下に置く必要があります。以下のコマンドを実行して対象のファイルをコピーしてください。
% bundle exec rake assets:copy
ここまでの変更内容を deploy ブランチにコミットし、Heroku にアプリケーションを転送します。
git add .
git commit -m "deploy"
git push sqale deploy:master
これで http://application-username.sqale.jp にアクセスして日記を書くことができます。
Sqale用のProcfile
(misc/paas/sqale/Procfile
)ではThinというサーバーを設定していますが、このファイルを書き換えることで他のサーバーでtDiaryを動かすこともできます。
指定できるサーバーと設定方法の詳細は、Sqaleのマニュアルを参照してください。
また、SqaleデフォルトのUnicornで動かしたい場合は、Procfile
を削除してください。
git rm Procfile
Heroku で自作や tdiary-theme に含まれるテーマファイルを用いるには、deploy 対象としてテーマファイルを登録し、Heroku に転送する必要があります。
tdiary-core の deploy ブランチに切り替えます。
git checkout deploy
テーマファイルをコピーし、deploy 対象として登録します。
cp -rf ~/tdiary-theme/gustav theme
git add .
git commit -m "add theme file"
Heroku にファイルを転送します。
git push heroku deploy:master
これで tDiary on Heroku の設定画面よりコピーしたテーマファイルを選択できるようになります。
Heroku で アドオンの追加・削除を行うことが出来るユーザーは memcache アドオンを使うことで、より高速に日記キャッシュデータを扱えるようになります。tDiary on Heroku で memcache アドオンを使う方法を以下に解説します。
tdiary-core の deploy ブランチに切り替えます。
git checkout deploy
heroku コマンドを用いて memcache アドオンを有効にします。
heroku addons:add memcache
Gemfile の以下の行を有効にします。
gem 'dalli'
tdiary.conf を以下のように変更します。
# require 'tdiary/cache/file'
# To use memcache addon
require 'tdiary/cache/memcached'
この状態を Heroku に反映させます。
git add .
git commit -m "enable memcache"
git push heroku deploy:master
git push コマンドが完了すると memcached をキャッシュの保存先とした tDiary が利用可能となります。