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豊田正史のSLとは関係ございません


2002-02-23

_ [映画] 「ロード・オブ・ザ・リング」

ロード・オブ・ザ・リングの先行レイトショーを観に旧友と共に池袋へ。 池袋サンシャインについてみると上映階の6階から1階まで行列が出来ていた。 もうね、あほかと。ばかかと。(以下略) アカデミー賞何部門なんて宣伝だけでこれだけ人が集まるとはおそるべし。 で、かなり後から入ったので最前列で観る羽目に。 これがかなりきつく、以下の感想に影響した可能性もあり。

なんというか、この映画忙しすぎる。原作読んでない人は絶対についていけない。 なにせ、次になぜそこに行かねばならないか、なんて説明はまったくなし。 どういう道のりでモルドールにつくのか地図も見せられず、次はここ、 次はここ、とどんどん話が進んで行く。感情移入する暇がまったくないのだ。 例えば、モリアでガンダルフが脱落した後、悲しむ仲間達にアラゴルンが 「皆を立たせろ、行くぞ」ってシーンがある。これは確かに原作通りなんだけど、 私には、「早く立て、(上映)時間がないんだ」としか聞こえなかった。

また、あまりに先を急ぐため、心理描写が全体的にうすっぺらくなって しまっているのが惜しい。フロドはこの映画では、かなり腑抜けに描かれている。 原作では裂け谷でしっかり覚悟を決めているのに、映画では終盤まで 「僕が指輪をもらわなければ。。。」と繰り返し泣き事を言い続ける。 一人でモルドールに行く決意を固める理由も描き切れていない。 ボロミアとの悲劇的な絡みもちょっと迫力不足だ。

サルマンの描かれ方も残念だ。原作では指輪を手に入れ世界を 征服せんとする第3勢力なのだが、映画では、サウロンの手下として描かれ、 図式を単純化されてしまった。「二つの塔」では、サルマン側のオークと、 サウロン側のオークでホビットの取り合いが起きるのだが、この設定で 大丈夫なんだろうか?

第1部だけなので当然カタルシスもなし。スタッフロールが出たときに 「え、終り?」とかいうささやきがほうぼうから聞かれたのも無理はない。 日本では、一般うけはしないと思うなこれ。

なんだか、指輪マニアのいちゃもんみたいな感想になってしまったけど、 正直な話、いろんな人が絶賛している程の感動はなかった。 事前に情報を集めすぎてしまったのも一因かもしれない。 しかし、「指輪物語」としてではなく「ロード・オブ・ザ・リング」として 観たとしても観客には意味の分からない登場人物たちの言動が多すぎるのではないか。 映像としては、指輪の世界をかなりマニアックに再現していて 素晴らしいんですけどね。レゴラスがすいすい雪の上を歩くとか。 最前列だったのでその素晴らしさを堪能できなかったのが無念といえば無念。

最後に、ガラドリエルについても一言だけ。 顔のアップになったとき、にきびが見えてしまってかなり興ざめでした。 すみません。


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