2005-05-30
_ [本] 佐藤優「国家の罠〜外務省のラスプーチンと呼ばれて」
いろんなところでお勧めされているので買ってみました。まだ70ページほどしか読んでいないけど、これは必読ですよ。ちょっと面白ポイントを挙げてみます。
- 1991年8月のクーデターの折、執務不能になったゴルバチョフの病名はギックリ腰だった?
- 外務省幹部「とにかく田中(真紀子)さんは自分のお父ちゃん(田中角栄)は偉い。だから、日露関係でも田中・ブレジネフ会談が原点なんだ。それから自分のお父ちゃんを裏切った経世会(橋本派)は許せないという、この二つの想いで動いている。」
- ソ連通訳チジョフ氏「ブレジネフは領土問題に関して田中角栄があまりに激しい剣幕なので、驚いてウォー、ウォーとうなっただけで確認などしていない」
- 私を含め、外務省員は全員親米派である。ただし、新米の中身については、日本はアメリカと価値観を共有するので常に共に進むべきであるという「イデオロギー的な親米主義」と、アングロサクソン(英米)は戦争に強いので、強いものとは喧嘩してはならないという「現実主義」では、「親米」という結論は同じだとしても、その論理構成は大きく異なる。
- 官僚とちょっとした行き違いがあった後、政治家が「俺は気にしていないぞ」と言ったとする。この永田町言語を翻訳すると「俺の方ではなく、お前のほうで深く反省して、何か言ってこい」ということだ。
- 外務省幹部「しかし、五月八日、アーミテージ米国務副長官との会談をドタキャンしたが、婆さん(田中女史)はその時、大臣就任祝いにもらった胡蝶蘭への礼状を書いていたんだ。これに対してみんなが危機感を持った。」
- 同幹部「新聞は婆さんの危うさについてきちんと書いているんだけれど、日本人の実質識字率は五パーセントだから、新聞は影響力を持たない。ワイドショーと週刊誌の中吊り広告で物事は動いていく。残念ながらそういったところだね。その状況で、さてこちらはお国のために何ができるかということだが……」
わ、笑えない……
READMEと日記の書き方
この本には「国策捜査」という言葉が出てきているらしいね。佐藤氏自身はノンキャリアながら日本の政官学のインナーサークルの一員でもある。だからこういう本を出版出来たのだと思う…と言いながら実はおいら自身はまだ買っていない。「いつか買いたい」リストには入れていましたが。続報を希望いたします。(ネタバレしない程度だとなお嬉しい)
> 日本人の実質識字率は五パーセントだから<br><br>うーむ。新聞はメディアとしては死に体とは思ってましたが、やっぱりそうなんですかね。
政官学インナーサークル……そんなのがあるのですか。続報は……気長にお待ちください。しばらく公開で大変なので。<br>新聞は、意外と面白いんですけど、読まれてないのですかねえ。もはや新聞では人は動かないというのは確かにそんな気がしますけど。
>実質識字率<br><br>という言葉が気になってググってみました。その結果ほとんどがこの作者の言葉の引用が書いてあるページしか出てきませんでした。これは氏の作り出した概念でしょうか。<br><br>この霞ヶ関言語を翻訳すると「お前ら一般市民は馬鹿なんだから、こっちがお国の為に働いているのに一々文句つけんなよ」という風になりそうですね。
おそらく数値的な根拠はないのでしょうが、色々なメディアに情報が出たときの、国民の反応を観察していれば体感的にはそんな感じなのだろうなとは思います。まあ実質識字率という言い方がいやらしいことに変わりはありませんけどね。
> 政官学インナーサークル……そんなのがあるのですか。<br><br>まあ、その話は実際に会ったときにでも。って、別に大した事を知っているわけでもないような気がしないでもないような気がしないでもないです。