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豊田正史のSLとは関係ございません


2006-05-12

_ [学会] ソフトウェア論文

ソフトウェア科学会の編集委員会に出席。学会誌「コンピュータソフトウェア」の新しい投稿規程で「ソフトウェア論文」というカテゴリが新設された。これまでにも「ソフトウェア紹介」という査読なしの記事はあったのだが、「ソフトウェア論文」は査読ありで業績になる記事としての位置づけということらしい。規定では「著者によって実現されたソフトウェアの報告であり、発想、構成法、実装法などの点で優れ、ソフトウェアの発展に寄与するもの」とある。

ただ、なにを基準に評価をすればよいのか良く判らないところがあり、査読は少々難しそうである。例えば、類似ソフトとの比較はなくても良いのかあったほうが良いのかとか、ソフトの面白さをどう評価するのかとか、広く使われているソフトなら良いのかとか、何が書かれていればソフトウェア論文の要件を満たすのか、などなど。編集委員会でも色々と議論があったのだが、なにぶん前例がないものだから結論は出そうにない。実績を積み上げて感触を掴んでいくしかないのかも。この手の議論はWISSのプログラム委員会でも毎年のようにあるのだが、やっぱり結論はそう簡単には出ないのだよね。と思っていたら、この委員会でもかなり前からある議論らしく、時折不死鳥のごとく蘇り、そのまま決着せずに飛んでいってしまうのだとか。

なんにせよ編集委員会としては、従来の学術論文としては採録しにくくても、面白いソフトや、広く使われているソフトに関する記事を幅広く載せていきたいという意向である。面白いソフトを作っているんだけど投稿先がない、なんて方は是非ドシドシと投稿していただきたい。基準の定まっていない今がチャンスだ。うまくいけばソフトウェア論文のスタンダードを確立できるかも。


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